冷えタイプその③【胃腸虚弱】

東洋医学では、人体を構成する要素として「気」「血」「水」の3つがあり、これらがバランスよく体中を巡っていることで、生命活動が維持されている、と考えます。これを「気血水論」と言います。

「気」は、経絡を巡ってカラダの中を絶えず循環する生命エネルギーのようなものです。
「血」は、血液だけでなく栄養分のことも含み、「気」とともにカラダの中を巡って、栄養を送っています。
「水」は、血液以外の水分を指し、涙や汗、鼻水、尿、粘液、リンパ液などの、カラダを潤すものです。

そして「気・血・水」は、口から入ってきた飲食物や大気から作られています。

「胃」で消化され、小腸で吸収された栄養分は、「脾」の働きで「水穀の精微」となり、呼吸器から取り込まれた大気と合わさって「気」「血」が作られ、全身を巡ります。
つまり、「脾胃」が元気なら、身体を温める「陽気」や「血」も十分に作られます。健康の基盤となる体力・免疫力が養われ、病気を防ぐことになるのです。

しかし、夏に暑いからといって、冷房をきかせ過ぎたり、冷たいものを摂り過ぎたり、食欲がないからと食事の不摂生をしてしまうと、脾胃に負担をかけ、働きが低下してしまうことにつながります。

その結果、「陽気」や「血」が十分に作られなくなり、その①の【血不足】や、その②の【陽気不足】の冷えを招いてしまうことに。

このタイプの冷えは、
・食欲不振
・下痢
・胃もたれや胃痛
・お腹の張り
・疲労感
・夏バテ
といった症状を伴うことも特徴です。

当てはまる症状がありましたら、脾胃を整える生活を意識しましょう。

 

〜脾胃を整える生活習慣〜

▼脾胃を補う食材
米、インゲン豆、大豆製品(豆腐など)、豚肉、鯵、山芋、かぼちゃ、じゃがいも、キャベツ、りんごなど。
胃腸に良い大根や人参などもおすすめです。温かい煮物や汁物にしてお召し上がり下さい。

▼脾胃の湿痰を取り除く食材
しょうが、冬瓜、ハトムギ、緑豆、小豆、もやし、春雨、お茶、うめぼし、こんにゃくなど。
スイカは、熱を冷ます冷性の食材でありながら、熱を調節する「腎」も補う食品で、利尿作用によりむくみをとります。

▼お酒をうまく利用する
日本酒やワインなど、常温で飲むお酒を、温めて少量飲むことで、巡りを良くしカラダを温めることができます。
逆に、ビールやシャンパン、水割りなど、冷やして飲むお酒は、胃腸を冷やし、カラダの熱を内側から奪ってしまいますので控えましょう。空きっ腹に「とりあえずビール」が暑い日の楽しみというのも分かりますが、冷えのある方は要注意です。

▼カラダを冷やす食材に注意する
氷入りの飲みものやアイスなど、内臓から冷やしてしまう冷たいものを摂らないよう気をつけましょう。
ナスやトマトなどの夏が旬の野菜や、南国で採れる果物、南国の飲みものなどは、カラダを冷やす作用を持っています。これらは摂り過ぎに注意し、食べるときは常温以上で摂ったり、加熱したり、身体を温めるスパイス類を加えたりといった工夫をしましょう。

▼よく噛んで食べる
消化吸収の負担ができるだけ減るように、ひとくちをよく噛んでだべるように心がけましょう。常温のものも、口の中で噛むうちに、体温に近くなり、胃を冷やすことがなくなります。

 

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2017年8月5日 カテゴリー:健康・美容

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